“ライフデザイン”の理念が導く、お客さま本位のフィー型ビジネスの在り方

きらぼしライフデザイン証券 取締役 田中博人 様

※所属部署・役職・対談内容については取材当時のものです。
※下記の内容は投資勧誘を目的とするものではありません。

東京きらぼしフィナンシャルグループの一員として、2020年8月に開業したきらぼしライフデザイン証券。同社は「徹底してお客さま本位の資産運用サービスを提供する」という決意のもと、開業当初からウエルス・スクエアと提携し、ファンドラップ・サービス『きらぼしラップ』の取り扱いを始めました。

“ライフデザイン”という社名に込めた想いのとおり、資産形成の面からお客さまの人生に寄り添う姿勢を貫いてきた同社。今回は、開業メンバーの一人である取締役の田中様に、開業時に掲げた想いや、お客さまのライフデザインを実現するために社内で大切にしている考え方について伺いました。聞き手はウエルス・スクエアの山田です。

INDEX

開業当初から“フィー型モデル”を軸に据えた理由

山田:まずは開業当初のお話から伺います。地銀系で最も新しい証券会社として、2020年に誕生した御社ですが、どのような想いで立ち上げに携わられたのでしょうか?

田中様:一言でいえば、「売買手数料に頼らない証券会社をつくりたい」という想いが強かったですね。証券会社というと、どうしても売買手数料を中心としたビジネスモデルが一般的です。ただ、そのやり方で、本当にお客さまの利益につながるサービスが提供できるのかと、ずっと疑問を感じていました。

当時、東京で新しい証券会社として戦っていくには、何かしら“差別化”が必要でした。その中で、私たちが出した答えが、「お客さま本位を徹底できるビジネスモデルを最初から選ぶこと」だったんです。

そこで選んだのが、お預けいただいた資産額から手数料をいただくフィー型のビジネスモデルです。お客さまの資産が増えれば我々の収益も増えるし、逆に減れば当然収益も減る。お客さまと証券会社が同じ方向を向く構造でなければ、本当の意味で顧客本位を貫くことはできないと考えました。

田中様:また、競争の激しい東京で証券事業を行う以上、単に“証券を売る会社”ではなく、お客さまの人生に長く寄り添い、資産形成を継続的にサポートできる会社にならなければ生き残れません。そうした背景もあり、私たちは開業当初からノーロード(投資信託などの購入時手数料を無料にする仕組み ※一定の条件あり)を選択しています。

もちろん、収益基盤が安定するまでには時間がかかりますし、開業当時は「大丈夫なのか?」と心配する声もありました。でも、お客さま本位を本気で掲げる以上、スタートの時点で腹をくくる必要があると判断しました。

いま振り返っても、この“売買手数料に頼らない”という開業時の決断が、きらぼしライフデザイン証券らしさを形づくる最初の一歩だったと感じています。

“ライフデザイン”に込めた、お客さまの人生に寄り添う姿勢

山田:お客さま本位の姿勢のもと、お預かりする資産を着実に増やされている御社ですが、フィー型ビジネスを展開するうえで大切にしている考え方について教えてください。

田中様:実は、「きらぼしライフデザイン証券」という社名は、開業時にかなり議論した部分なんです。普通に考えれば「きらぼし証券」でもよかったのかもしれません。ただ、私たちはあえて「ライフデザイン」という言葉を掲げることを選びました。

理由はシンプルで、「お客さまの人生に寄り添い、資産運用を通じて人生設計のお手伝いをしていきたい」という想いがあったからです。

売買手数料を中心としたビジネスでは、どうしても“一瞬の売買”に重心が寄ってしまいます。しかし、資産形成とは本来、時間をかけてじっくり取り組むものです。その意味でも、フィー型モデルと“ライフデザイン”という社名は切り離せない関係にあると感じています。

また、当社ではお客さまと向き合う社員を「デザイナー」と呼んでいます。これは、ライフデザインという姿勢を社内に根づかせるための取り組みのひとつです。お客さまのニーズを丁寧に汲み取り、その方の人生にとって何が最適なのかを真剣に考えながら提案をする。そんな姿を体現する存在であってほしいという願いを込めています。

同時に、ライフデザインを実現するうえでは、お客さまとの信頼関係がこれまで以上に重要になります。運用がどのように行われているのか、どのような方針のもと運用されているのか。そうした情報を誠実に、わかりやすくお伝えする責任があります。開業時から掲げている「最大限の見える化」という姿勢も、この考え方に基づくものです。

開業から5年が経ち、社名に込めた「ライフデザイン」という想いは、少しずつ社内に根づいてきたと感じています。これからも、お客さまの人生と真摯に向き合いながら、フィー型モデルだからこそ提供できる価値を磨き続けていきたいと思っています。

“ゴールベース・アプローチ”が生む、お客さまとの確かな信頼

山田:ライフデザインの実現を目指されるなかで、デザイナーの皆さんにお客さまと向き合う上で特に大切にしてほしいと伝えていることは何ですか?

田中様:まず何よりも、お客さまへのアフターフォローを大切にしてほしいとデザイナーに伝えています。販売して終わりではなく、定期的にお客さまと接点を持ちながら、相場が良いときも悪いときも丁寧に向き合っていく。その積み重ねが、やはり信頼につながっていくんですよね。

そして、このアフターフォローにおいて欠かせないのが、「ゴールベース・アプローチ」という考え方です。お客さまが何のために資産運用をするのか。その目的を最初にしっかりと理解し、将来のゴールに向けて伴走していく姿勢、と言ってもいいかもしれません。

田中様:目的が曖昧なまま運用を始めてしまうと、相場の上げ下げといった短期的な動きに、どうしても気持ちが引っ張られてしまいます。本来、お客さまが目指しているのは、値動きに勝つことではなく、将来に備えて資産を育てていくことです。それにもかかわらず、目の前の動きに振り回されてしまうケースは少なくありません。

だからこそ、最初の段階で「どんな未来を目指して資産運用をするのか」を一緒に言葉にしていくことがとても大切なんです。老後のためにいくら積み立てたいのか、教育資金としてどれくらい必要なのか。そういった具体的な将来像を共有していくことで、お客さま自身も“自分はどこに向かっているのか”をはっきりと理解できるようになります。

もちろん、これは言うほど簡単ではありません。営業現場のメンバー全員が完璧にできているかと言えば、まだ道半ばだと感じています。お客さま一人ひとりの想いや目的に耳を傾け、その方にとって最適な道筋を一緒に考えていくには、相応のコミュニケーション量と丁寧さが求められます。

それでも、こうした対話を重ねてゴールに向かって進めているかを一緒に確認できるようになると、お客さまとの信頼関係は自然と深まっていきます。だからこそ、私たちはこれからも、このゴールベース・アプローチを大切にし続けていきたいと考えています。

“ライフデザイン”の理念とともに、新たなステージへ

山田:ウエルス・スクエアは開業時からご一緒させていただいておりますが、私たちのサポートについてはどのように感じていらっしゃいますか?

田中様:お客さま本位のフィー型ビジネスを実現するうえで、さまざまな場面において二人三脚で支えていただいたと感じています。

特に、地銀系証券として、また銀行グループの一員として、これからの時代にどんな資産運用ビジネスを展開していくべきなのか。そうした大きなテーマについて、幅広い知見からアドバイスをいただけたことは、本当に心強かったです。

会社設立の際に金融庁へ提出した資料にも、「どういうコンセプトで、どんな目的で事業を行っていくのか」といった趣旨を細かく記載する必要がありましたが、その内容もウエルス・スクエアさんから教えていただいた考え方を参考にさせていただきました。サービス推進の場面でも、多方面からサポートしていただき、とても助かっています。

山田:そうおっしゃっていただけて、本当にありがたい限りです。では最後に、御社がこれから描いていく未来について、お聞かせください。

田中様:開業から5年が経ち、新しいメンバーも増えています。「お客さま本位とは何か」「ライフデザインとはどういうことか」。こうした根幹となる考え方を改めて明確にし、全員が同じ方向を向けるようにすることが、次のフェーズに進むうえで欠かせません。

私たちはまだ成長の途中です。これからの5年、10年を見据えると、もっとお客さまに寄り添える仕組みやサービスを追求していく余地が必ずあるはずです。開業時の精神を大切にしながら、会社全体をもう一度アップデートしていく。それが、次のステージへ進むために欠かせない取り組みだと考えています。

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