ファンドラップによって、お客さまの夢について伺うことが増えた

ファンドラップによって、お客さまの夢について伺うことが増えた

山陰合同銀行 松江コンサルティングプラザ 福頼愛 様

山陰合同銀行様では、2018年よりウエルス・スクエアが提供するファンドラップ『Funds Club(愛称:ファンクラブ)』の取り扱いを開始。島根・鳥取の山陰地域にお住いのお客さまへ、ファンドラップサービスをご提案いただいています。

ファンドラップの取り扱いをはじめたことで、実際にお客さまと直に向き合っているご担当者様の方々にはどのような変化が生まれたのでしょうか。山陰合同銀行・松江コンサルティングプラザの福頼様にお話を聞かせていただきました。聞き手はウエルス・スクエアの藤井です。

INDEX

海外事例を調べ、投資一任の必要性を理解

藤井:山陰合同銀行様では2018年よりファンドラップの取り扱いがはじまりました。当時、福頼さんはファンドラップというサービスについては既にご存知でしたか?

海外事例を調べ、投資一任の必要性を理解

福頼様:いいえ、本部からサービス開始の通知を受けて、その存在をはじめて知りました。実際に窓口での取り扱いを開始するまでに、2ヶ月程度の研修があり、そこでファンドラップについて一から学ばせていただきました。

藤井:研修を受ける中で、ファンドラップにどんな印象をもちましたか?

福頼様:当行として、ストック(資産管理型)ビジネスに切り出していくことを強く感じました。投資信託と違って、買付時の手数料がかからないことをみて、そのことを感じましたね。資産運用を安定的に継続していきたいお客さまに向けて提案していきたいサービスだと思う反面、投資顧問報酬について、お客さまにご理解いただき、満足いただけるフォローができるか、当費用がかかり続けることをお客さまに許容していただけるかが不安でした。

ただ、ファンドラップへの理解を深めるために、投資一任サービスに関してインターネットで調べる中で、アメリカでは既にファンドラップが広く普及しており、資産運用における定番の運用手法となっていることを知りました。

やはり、資産運用の世界は冷静な判断力が求められる領域です。ご自身で運用を行う場合、市場の変動に過剰に反応してしまうことがあります。人の心はコントロールが難しいので、結局はプロに任せたほうが安心できる。それ故に海外では投資一任が広がっているという旨の記事に触れて、サービスの必要性を理解しました。

藤井:現在は、コンサルティングプラザ間だったり、メンバー同士で知見や情報を共有するような機会はあるのでしょうか?

福頼様:よくありますね。定期的にオンラインで勉強会や事例共有会を開催していますし、メールでの事例共有は毎日のように行われています。学び合いや、情報共有をしっかり行う文化が当行に醸成されていると感じています。

お客さまの夢について伺うことが増えた

藤井:ファンドラップの特徴は、お客さまの資産運用に関するお考えをヒアリングし、お客さまに適している運用コースのご提案からはじまることだと思います。ファンドラップの取り扱いが始まってから、お客さまとの会話の内容に何か変化は生まれましたか?

お客さまの夢について伺うことが増えた

福頼様:ファンドラップの取り扱い前と比べて、お客さまお一人おひとりに寄り添った形の提案ができているように感じています。

もちろん、以前からもお客さまのお話を詳しく伺い、お客さまの意向や状況に適した提案に努めてきました。ただ、ファンドラップの場合、最適な運用コースをご提案するために、かなり踏み込んで色々なことをヒアリングしていきますよね。そのヒアリングによって、お客さまについて初めてわかることが多いと感じています。

また、お客さまのことを深く理解しようとするなかで、お客さまの夢は何かを伺うことが増えました。例えば、何歳を迎えた時に、家族とどういう生活を送りたいとか。何歳になった時は、どのような時間とお金の使い方をしたいとか。そうした叶えたい夢に向けて、どのような考え方の資産運用が適切かを話し合う機会が増えました。

当行の経営理念は「地域の夢、お客さまの夢をかなえる創造的なベストバンク」ですが、この理念を実現するためにも、こうした会話の機会が増えたことはよかったと感じています。

藤井:そうしたところまで踏み込んで、お客さまと関係性を築かれているのですね。

福頼様:そうですね。以前はそうしたことをお聞きすることを躊躇していた面もありました。ただ、お客さまにとって最適なリスク許容度を測るためには、どうしても踏み込んだヒアリングが必要です。現在は、目的意識をもって、深いヒアリングを心がけるようにしています。

リスク許容度とのミスマッチをなくしたい

藤井:ファンドラップをお客さまに提案する中で、何か記憶に残っているエピソードはありますか?

リスク許容度とのミスマッチをなくしたい

福頼様:はい、実際に一つ印象深いエピソードがあります。私が担当したお客さまの中に、分配金の出る投資信託を好んでいる方がいらっしゃいました。ただ、市場が下落すると、「マイナスが怖い」と不安をおっしゃることが多かったのです。

そうした姿を見て、私は「お客さまのリスク許容度を考慮すると、株式の割合が多すぎます。下落時に不安になるのであれば、債券をもっと組み入れた方が良いですよ」と繰り返し提案したのですが、「債券を購入する資金があれば、その分で配当が高いものを購入したい」とおっしゃって、なかなか状況が変わりませんでした。

藤井:なるほど。リスク許容度が低いのに、リターンの高い商品につい目を奪われてしまうという状況ですね。

福頼様:そうなんです。ご自身のリスク許容度以上のリスクを取っているから、市場が変動する度に不安にかられてしまうのだろうと思い、自分のリスク許容度に合わせた資産運用をしていただいたほうがいいと考え、ファンドラップを提案しました。

はじめは前向きにご検討いただけなかったのですが、約一年間ファンドラップを提案し続けた結果、ファンドラップを始めることにご同意いただきました。その後、そのお客さまからは増額もいただいており、資産運用のあり方が少しずつ変化していらっしゃいます。

藤井:お客さまのマインドが変わってきたということですね。

福頼様:そうですね。そのお客さまにヒアリングをしていくと、資産形成のゴールとしては、大きく資産を増やすことではなく、物価の上昇に耐えられればいいという程度だったのです。そうであれば、リスクを大きくとる必要はないはずです。

このように本来の目的と現在行っている資産運用の内容が合っていない方は少なくないと思います。そうしたミスマッチを減らしていく意味でも、ファンドラップのヒアリングは重要だと感じています。

対面のヒアリングだからこその価値

藤井:最後に、これからもファンドラップを取り扱うにあたって、どういうマインドを大切にお客さまへ提供していきたいとお考えかをお聞かせいただけますか?

福頼様:やはり、ファンドラップの特徴としては、お客さまへのヒアリングを通じて、リスク許容度を測るだけでなく、お客さまの叶えたい夢や資産運用の目標を明確にすることができることだと思います。

そして、運用報告や資産配分の見直しなどの定期的なアフターフォローを通じて、お客さまの資産運用に対する中長期的なマインドを醸成できることが、対面によるファンドラップサービスを提供する価値だと感じています。

昨今ではAI(人工知能)を活用して、投資や資産運用などのアドバイスを行うロボアドバイザーが注目されています。ただ、AIの場合、顕在化しているお客さまのニーズを汲み取ることはできても、お客さまの潜在的なニーズまではヒアリングが及ばないと思います。

お客さまお一人おひとりの夢や目的に沿って、ファンドラップのサービスをこれからも提供していきたいです。

対面のヒアリングだからこその価値

※所属部署・役職・対談内容については取材当時のものです。

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