導入から約1年間で、ファンドラップへの理解がグループ内に浸透した理由とは?

導入から約1年間で、ファンドラップへの理解がグループ内に浸透した理由とは?

京銀証券 本店営業部 参事役 穴瀬尚子 様

京都フィナンシャルグループの一員として、豊かな地域社会の創造と地元産業の発展に貢献することを経営理念とされる京銀証券様では、2022年10月からウエルス・スクエアと提携したファンドラップ・サービス『京銀ファンドラップ』の取り扱いを開始しました。

ファンドラップ導入にあたり、グループ内にサービスへの理解を浸透させる役割の旗振り役を担ったのが、京銀証券 本店営業部の穴瀬様です。どのようなことを意識しながら、どのような研修を行っていったのか。 穴瀬様にお話を聞かせていただきました。聞き手はウエルス・スクエアの石窪です。

INDEX

170を超える支店に、サービス理解をどう浸透させるか?

石窪:はじめに、ファンドラップの取り組みにおける穴瀬様の役割についてご紹介お願いします。

170を超える支店に、サービス理解をどう浸透させるか?

穴瀬様:ファンドラップの導入が決まった際、京銀証券としてファンドラップをグループ内に推進するための旗振り役が必要ということで、責任者に任命されました。

京銀ファンドラップでは、京都銀行の各支店の行員がお客さまにサービスをご案内したり、契約後の定期的なフォローアップを行います。そして、私たち京銀証券のメンバーはそのサポートを行っていきます。銀行と証券の連携がとても重要となるサービスです。

推進役となる私の主な活動は、ファンドラップのサービス内容はもちろん、その裏側にある資産運用への考え方を、研修や帯同を通じて、グループ内に浸透させることです。

もちろん、京都銀行は170を超える支店がありますので、私ひとりで対応することはできません。私が推進の責任者をしていますが、京銀証券の営業担当者のメンバーたちも推進役となり、それぞれが担当する支店をサポートしていく体制をとっています。

石窪:推進役の責任者に任命された時、どのように感じられましたか?

穴瀬様:本店営業部への人事異動に伴いファンドラップの推進役を任命いただきました。正直、銀行全体に浸透させるのは容易ではなく、私一人の力では浸透するまでにかなりの時間を要するのではとネガティブに捉えた様な気がします。

ただ、勉強会の数を重ねる毎にファンドラップの仕組みやゴールベースアプローチの素晴らしさを知り、どんどんその魅力に引き込まれていきました。当社の営業担当者も、質問や疑問を私に全て投げかけてくれたので、全員が偏ることなくファンドラップの魅力や知識を同レベルまで習得することが出来ました。
銀行営業店への勉強会は、出来る限り銀行営業店に赴くスタイルで行いました。
当社の営業担当者たちもそのことを理解してくれており、各支店に積極的に足を運び、研修や帯同を意欲的に実施してくれています。そのおかげもあり、導入開始からの約1年間で、ファンドラップへの理解がグループ内に浸透していったと感じています。

推進役のメンバー全員が研修講師をできる体制へ

石窪:研修に力を入れられたという話ですが、先ほどお話にあったように、京都銀行様は170を超える支店がありますので、サービス理解をグループ全体に浸透させるのは簡単ではなかったと思います。どのような形で研修を実施されていったのでしょうか?

推進役のメンバー全員が研修講師をできる体制へ

穴瀬様:2022年10月末から京銀ファンドラップは開始しましたが、研修を開始したのは前月となる9月の中旬ぐらいからです。そのため、かなりタイトなスケジュールで研修を組んでいきました。

各支店で研修会を行っていると、サービス開始日に間に合わないため、最初は全支店に向けたオンラインの研修会を実施しました。ただ、リアルな場で研修会を実施したほうが、質問もしやすいですし、理解が深まります。オンラインで研修会を実施した後は、できる限り各支店に足を運び、研修を実施するようにしました。

同時に、研修会の講師を当社の営業担当者ができるようにしていきました。はじめにウエルス・スクエアさんの研修を聞かせてもらい、それを参考に私自身が講師をつとめ、伝えるべき内容を整理していきました。その内容を部内で共有し、各メンバーに研修に同行してもらううちに、各メンバーが講師を務められるようになりました。

全支店で少なくとも一回は研修会を開催することが重要だと考えていましたので、サービス導入後も、メンバーで手分けして研修会を実施していきました。全支店で完了するまでには、半年ほどかかりましたね。

また、ウエルス・スクエアさんへの窓口を私で一元管理する体制をとったことも大きかったように思います。様々な質問が私のところに届くなかで、どういうところに疑問や難しさを現場のメンバーが感じているのかがわかります。更に、その回答をウエルス・スクエアさんと相談しながら作成するので、私たちのサービスへの理解も深まります。

窓口を私に一元管理にした背景としては、銀行の営業店から個別に連絡するとウエルス・スクエアさんの負担が大きくなってしまうことと、サービスへの理解がグループ内でバラバラになることを防ぐためでした。ですが、私たちの知見を高める意味でも、窓口を一元化して良かったと思います。

お客さまの反応によって、意識に変化が生まれた

石窪:ファンドラップの研修会を実施される中で、行員の皆さんのリアクションは最初どのようなものでしたか?

お客さまの反応によって、意識に変化が生まれた

穴瀬様:サービスの必要性に疑問をもつ行員も少なくはありませんでした。例えば、多くのお客さまの信頼を得ているベテランの担当者は、既にお客さまのご意向を踏まえた資産運用のポートフォリオ提案を行っています。「ファンドラップの提案は今さら必要ないんじゃないか」という考えをもつ人も多かったように思います。

石窪:そういう方々のマインドを変えるのは簡単ではなかったと思うのですが、どういう風に取り組まれていったのでしょうか?

穴瀬様:何度も研修会を実施することで、サービスの必要性や他のサービスとの違いを繰り返し伝えていきました。そしてお客さまへの提案の際に同席させていただくことで、実際のお客さまの反応を見てもらうようにしていました。

ファンドラップのヒアリングによって、これまで把握できていなかったお客さまの考え方を知ることができたり、それによって新しい契約に繋がったりする様子を直に見てもらうと、サービスへの認識が変わってきます。

また、ファンドラップについてはTVでのCMも増えてきており、興味をもっているお客さまが多くいらっしゃいます。詳しい話を聞きたいと、お客さまのほうからご相談いただくケースも多いです。そうしたお客さまの実際の様子に触れることで、ファンドラップへの理解が深まっていったように思います。

石窪:研修の内容において、意識しているポイントはありますか?

穴瀬様:やはり、現場で実践的に使えるトーク話法を意識しています。例えば、定期運用報告の研修を行う際には、具体的なお客さまを事前に聞き、「こちらのお客さまにフォローアップする際には、こうした内容を伝えていきましょう」と実践に即した研修を行っています。

銀行から希望される内容も様々で、「こうしたタイミングでのお客さまフォローアップでは、どういう対応が望ましいか」といったピンポイントなものもあれば、ファンドラップについて包括的に学ぶ研修を改めてしてほしいという依頼もあったりします。基本的には、銀行営業店ごとの課題に応えていくという姿勢で、研修を企画しています。

安心できる資産づくりをご支援していく

石窪:最後に、ファンドラップの取り扱いを継続させた先に目指している将来像について、お聞かせいただけますでしょうか?

穴瀬様:今まで「運用というと怖いもの」というイメージが多くのお客さまにあったと思います。ただ、私としては「相場から逃げないでほしい」という想いがあります。昨今のインフレ状況を鑑みると、資産を増やす自助努力をしなければ、資産はどんどん目減りしていってしまうからです。

その上で、マーケットの動きに一喜一憂せずに、長期的な資産運用をするには時間分散が大切だと考えています。退職金などのまとまった資金が入ってきたとしても、いきなりファンドラップに全てを入れていただくのではなく、お客さまが「運用を続けていて良かった」と思われたタイミングで増額の提案をするようにグループ内で伝えています。

短期的な視点ではなく、長期的な視点で資産運用を継続的に行っていく。そうしたサービスを求めているお客さまにファンドラップを提案すること。このことも研修でも重点的に伝えるようにしています。

地域金融機関として、お客さまの大切な資産の寿命を延ばすことが、私たちの役割だと思っております。ファンドラップを通じて、多くのお客さまの安心できる資産づくりのご支援をしていきたいと思います。

安心できる資産づくりをご支援していく

※所属部署・役職・対談内容については取材当時のものです。

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